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注文住宅を建てる際、「高気密」という言葉を耳にしたことはありませんか。
気密性とは、住宅の隙間から空気の漏れ・外気の侵入を防ぐ性能のことです。一年中快適な暮らしを送るには、気密性を高める住宅設計が欠かせません。
注文住宅を検討している方は、本記事を参考に気密性の基礎知識を理解し、快適な住まいづくりに役立ててください。

気密性とは、建物の隙間から室内の空気が漏れたり、外気が侵入したりするのを防ぐ性能のことです。
住宅には、壁や窓、床、屋根の接合部分などに目に見えない隙間が存在します。隙間風が室内に入り込むと、室内の温度が安定せず、夏は暑くて冬は寒いといった環境になってしまいます。
実際に国土交通省の資料でも、高気密・高断熱住宅は、一般的な住宅と比べて表面温度や体感温度に差が出ると紹介されています。[注1]
|
室温 |
表面温度 |
体感温度 |
|
|
高気密・高断熱住宅 |
20度 |
18度 |
19度 |
|
低気密・低断熱住宅 |
20度 |
10度 |
15度 |
快適な住環境を維持するには、断熱性を高めつつ、建物の隙間をできるだけ少なくして気密性を高めることが大切です。
[注1]国土交通省「快適 安心なすまい なるほど省エネ住宅」P8(参照2026-03-15)
https://www.mlit.go.jp/common/001500203.pdf

内陸性気候の栃木県宇都宮市では、住宅の気密性を高めることが特に重要です。2025年の宇都宮市の最高気温は37.5度、最低気温は-5.3度を記録しており、夏と冬の寒暖差が大きい地域とされています。[注1]
このような厳しい寒暖差を乗り切るには、住宅の断熱性能を高めるだけでは不十分です。断熱性に加えて気密性も高め、外の熱気や冷気の影響を受けにくい住宅にする必要があります。
span style=”font-weight: 400;”>[注1]気象庁:宇都宮(栃木県) 2025年(月ごとの値) 主な要素https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/monthly_s1.php?prec_no=41&block_no=47615&year=2025&month=&day=&view=p1
気密性の高い住宅を建てる際は、住宅の気密性能を示すC値について理解しておくことが重要です。
ここでは、C値の定義や基準値を紹介します。
C値(相当隙間面積)とは、住宅の気密性能を示す数値のことです。具体的には、住宅にどのくらいの隙間があるのかを表しており、数値が小さいほど気密性能が高い住宅と判断されます。
C値を低く抑えることで、冷暖房効率の向上や結露の防止などのメリットが期待でき、住まいの快適性・耐久性向上につながります。
C値は1999年に施行された次世代省エネルギー基準で地域ごとに基準値が定められていましたが、2026年3月現在の日本の省エネ基準では評価項目から外されています。
しかし、住宅業界では、一般的にC値が1.0以下であれば高気密住宅と判断されるケースが多いようです。断熱性・気密性にこだわっている工務店では、C値0.5以下の超高気密住宅を建築している場合があります。
住宅の気密性を高めることで、以下のようなメリットを感じられます。
住宅の気密性を高めると、室内の温度ムラが少なくなります。
隙間が多い住宅では、暖房で温まった空気が逃げやすく、夏場も冷房の風が隙間から出ていきやすくなります。室内の温度だけでなく、外気が室内に入り込みやすくなる点も課題です。
高気密住宅では、このような空気の逃げや外気の侵入をシャットアウトできるため、一年中快適な住環境を維持しやすくなります。室内の温度が安定することで、急激な温度変化によるヒートショックの防止にもつながります。
住宅の気密性を高めることは、カビや結露の発生を抑えることにつながります。
隙間が多い家では、室内の暖かい空気が外部に漏れ、外気との温度差で壁の内部や窓に結露が発生しやすくなります。内部結露は、構造部分の腐食やカビの増殖を招く原因の一つです。
気密性を高めて隙間を減らせば、室内外の空気の出入りが少なくなり、結露の発生リスクを軽減できます。結果としてカビの発生を抑制でき、住宅の耐久性向上にもつながります。
住宅の隙間を減らすことで、冷暖房効率の向上につながります。
気密性が低い住宅では、冷房・暖房で整えた室内の空気が外に逃げ出します。これでは部屋がなかなか温まらず、設定温度を上げ続けるなどの無駄なエネルギーを消費してしまうでしょう。
気密性の高い住宅なら、室内の快適な空気が逃げにくくなり、少ないエネルギーで室温をコントロールできるため、光熱費削減が期待できます。
国土交通省の資料では、東京都23区を想定した試算として、住宅の断熱性能によって年間の光熱費に差が生じると示されています。
試算結果は、以下の通りです。[注1]
|
住宅区分 |
年間の光熱費(目安) |
一般的な住宅の光熱費との差額 |
|
一般的な住宅 |
28万円程度 |
ー |
|
高気密・高断熱な住宅 |
22万円程度 |
6万円程度 |
|
さらに性能の高い住宅 |
16万円程度 |
12万円程度 |
また、北海道などの寒冷地の場合は、以下のような試算結果となります。
|
住宅区分 |
年間の光熱費(目安) |
一般的な住宅の光熱費との差額 |
|
一般的な住宅 |
39万円程度 |
ー |
|
高気密・高断熱な住宅 |
33万円程度 |
6万円程度 |
|
さらに性能の高い住宅 |
20万円程度 |
19万円程度 |
上記はあくまでシミュレーションですが、近年国では、断熱性や気密性を高めた住宅(省エネルギー住宅)の普及の促進を図っています。
[注1]国土交通省「快適 安心なすまい なるほど省エネ住宅」P8(参照2026-03-15)
https://www.mlit.go.jp/common/001500203.pdf
高気密住宅のメリットは、外に舞っている花粉やほこりなどの汚染物質の侵入を防いでくれる点にあります。
アレルギー体質の方や花粉症の方は、室内にわずかに入り込んだ花粉やほこりでも体調を崩すケースが多く見られます。
気密性を高めることで、このような汚染物質の室内への侵入を防止でき、常にクリーンな室内環境を整えることが可能です。
気密性の高い住宅を建てる方法はいくつかありますが、特に意識したい4つのポイントを紹介します。
樹脂・木製サッシの窓を選ぶ
断熱性を高める複層ガラスを選ぶ
引き違い窓を少なめにしてFIX窓・すべり出し窓を設置する
高気密性・高断熱性の玄関ドアを選ぶ

住宅の気密性を高める上で外せないのが、窓サッシの素材選びです。サッシとは、窓ガラスを支えるフレームを指します。
窓のサッシは、大きく分けてアルミ製・木製・樹脂製の3つに分かれます。木製・樹脂製サッシは、アルミ製に比べて熱伝導率(熱が伝わりやすさ)が低く、外の寒さや暑さを室内に伝えにくい点がメリットです。
窓やドアなどの開口部は、住宅の中でも熱の出入りが大きい部分です。暖房時には約58%の熱が窓などの開口部から外へ逃げ、冷房時には約73%の熱が外部から侵入するとされています。[注1]
気密性の高いサッシを選ぶことで、開口部からの熱の出入りが少なくなり、快適な室内環境を整えられます。
[注1]一般社団法人 日本建材・住宅設備産業組合:開口部からの熱の出入り割合はどの位か
https://www.kensankyo.org/openinginfo/openingheat/

窓のサッシと合わせて検討すべきなのが、窓ガラスの構造や断熱性能です。
従来の住宅で多く使用されている一枚ガラスは、雨風から住宅を守る基本的な性能は備わっていますが、気密性・断熱性を十分に確保できていないという課題がありました。
現代の家づくりで主流となっているのが、二枚のガラスの間が真空になっている複層ガラスです。ガラスの間にある空気層が断熱材のような役割を果たし、熱の伝わりを抑えることで住宅の断熱性・気密性を高めています。
複層ガラスは室内環境を快適に保つだけでなく、結露対策にもなります。

気密性を高めるには、引き違い窓ではなく、FIX窓やすべり出し窓などの気密性が高い窓を採用しましょう。
窓の種類は、大きく分けて以下の6つに分かれます。
|
窓の種類 |
特徴 |
気密性能 |
|
引き違い窓 |
|
△ |
|
FIX窓 |
|
◎ |
|
すべり出し窓 |
|
◎ |
|
片上げ下げ窓 |
|
〇 |
|
内・外倒し窓 |
|
◎ |
|
折りたたみ窓 |
|
△ |
引き違い窓は左右の戸をスライドさせる構造上、レール部分に隙間が生じやすく、そこから空気が出入りしやすい特徴があります。
一方、FIX窓やすべり出し窓は、引き違い窓よりも隙間が生じにくく、高い気密性を維持できます。
ただし、どちらか一方に絞るのではなく、場所に応じて窓の種類を使い分けることが重要です。開放感が求められる場所には引き違い窓を設置し、気密性を重視する場所にはFIX窓やすべり出し窓などを取り入れると良いでしょう。

窓と同様に、玄関ドアも熱の出入りが激しい場所の一つです。
軽量で加工しやすいアルミ製のドアは、熱を通しやすく、冬場の冷え込みや結露の原因になりがちです。しかし、アルミ製であっても高断熱仕様のドアを選ぶことで、住まいの気密・断熱性能を大きく底上げできます。
断熱ドアの特徴は、以下の通りです。
ドアの厚みが60mm以上あり、重厚なつくりで熱を遮断している
ドア内部にウレタンフォームなどの断熱材を使用している
採光部には複層ガラスやLow-Eガラスを採用し、熱の流出を防いでいる
気密性の高いゴム・パッキンで隙間風を遮断している
これらの機能を備えたドアを選ぶことで、室内の温度が一定に保たれ、快適な住環境の維持につながります。
工務店が気密性の高い住宅を建築しているかどうかは、気密測定で出力されたC値の数値を確認することで判断できます。
気密測定とは、住宅にどの程度の隙間があるのかを専用の機器で測定する検査のことです。前述の通り、住宅の気密性能はC値で示され、一般的にはC値が1.0を切っていれば「高気密住宅」と判断されます。
気密測定は、住宅を施工した工務店や住宅会社が実施するのが一般的です。注文住宅を建設中の場合、施工を担当した工務店が、住宅の断熱施工後・完成後の2回に分けて測定を実施します。
高気密性の注文住宅を建築する際は、気密測定の結果に関する説明があるか、測定に立ち会えるかどうかを確認しておきましょう。
既に住宅が完成している場合、ご家庭で気密測定器をレンタルして測定することも可能です。ただし、スムーズに測定を進めるのであれば、住宅設計に詳しい工務店や住宅会社へ依頼すると良いでしょう。
また、測定器を使わない簡易的な確認方法として、以下の手順が挙げられます。
気密性が高い住宅では室内が負圧になりやすいため、玄関ドアが開けにくくなります。反対にドアが簡単に開く場合は、住宅の隙間から外気が入り込みやすく、気密性が十分でない可能性があります。
あくまでも簡易的な測定方法になりますが、気密性を確かめる方法の一つとして参考にしてみてください。
暮らしやすい快適な住まいを実現するには、気密性だけでなく断熱性の向上を図ることも大切です。
前述の通り、どれほど高機能な断熱材を使用しても、建物に隙間があれば本来の断熱効果を十分に発揮できません。断熱性・気密性の両方がそろって初めて、夏は涼しく冬は暖かい住まいになります。
住宅の断熱性能は、UA値(外皮平均熱貫流率)で確認できます。UA値とは、外壁や屋根などの外皮から熱がどのくらい逃げるのかを示した数値です。UA値が低いほど、熱が逃げにくい高断熱な住宅だと判断されます。
国土交通省では、全国を8つの地域に分けてUA値の基準を設けています。栃木県宇都宮市は「5地域」に分類されており、この地域の省エネ基準は0.6、断熱等級5が目安です。[注1]
そのため、栃木県宇都宮市で注文住宅を建築する場合、UA値を0.6以下・断熱等級5以上を標準仕様とした工務店を選ぶと良いでしょう。
[注1]国土交通省:断熱性能|建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度
https://www.mlit.go.jp/shoene-label/insulation.html
高気密・高断熱住宅は、一般的な住宅と比べて建築コストが高くなる傾向があります。気密性や断熱性を高めるためには、高性能な断熱材や高断熱サッシ、気密シートなどの建材を使用する必要があるためです。
施工する住宅会社や建材の仕様、グレードによって差はあるものの、坪単価で5万~10万円程度高くなる可能性があります。
ただし、高気密・高断熱住宅は冷暖房効率が高く、光熱費の削減効果が期待できます。そのため、初期の建築費用だけでなく、住み始めてからのランニングコストも含めて検討することが重要です。
注文住宅を建てる際は、内外装のデザインや間取りだけでなく、住宅の気密性を高めることを意識しましょう。栃木県宇都宮市のような寒暖差の激しい地域では、住宅の気密性能が住み心地や耐久性を大きく左右します。
家づくりで後悔しないためには、気密性にこだわった注文住宅を手掛けている工務店に相談する必要があります。
栃木県宇都宮市で注文住宅の建築を検討している方は、完全自由設計の小堀建設にご相談ください。小堀建設では断熱等級6を標準仕様としており、高い断熱性能はもちろん、気密性にもこだわって注文住宅を設計・施工しております。
間取りから内装、構造部の素材選定まで、お客さまの暮らしに寄り添いながら施工プランをご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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